本日、春分の日は
自然を讃え、生物を慈しむ日。
明け方や夜はまだまだ肌寒くありますが、
草木や花の芽吹きに、
少しずつ春の訪れを感じているこの頃です。
レストランのコースは春を迎えていますが、
冬の思い出を残しておきたいと思います。
こちらは、静かな冬の海と
磯の香りをテーマにした一皿
「Ciel Pâle -シェル パァル-」。
Ciel Pâleとは、冬の「淡い空」を意味します。
主役は、脂がのりながらも
上品で深い旨味のあるクエ。
立派な皮から広がる磯の香りや、
皮と身の間の美味しさも逃さず伝えたい。
そう考え、皮と身でまったく異なる火入れを施しました。
厚みのある皮はしっかりと焼き付け、
バリッと香ばしく。
対して、身はうるっと螺鈿の輝きを。
牡蠣を合わせることで、
磯の香りにさらなる膨らみをもたせています。
水晶文旦の甘酸っぱさ、
ベルモットとフヌイユのソース、
清涼なマイクロセロリのサラダも添えて。
春の訪れを待つ淡い空と冷たい空気が混じり合う、冬の海のイメージを表現しました。
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